〜第六八回 歌舞伎鑑賞教室〜

国性爺合戦(こくせんやがっせん)

御贔屓の御旦から毎月頂いてるという歌舞伎のチケットを ある芸人さんから息子が2枚頂戴した。
国立演芸場だ。
ナント久しぶりなことよ。
春風亭小朝の【5人廻し】聴いたっけ。
書いてても吹き出しちゃうよ。
小朝の【5人回しは】一味も二味も違う。


同じ古典芸能でも《歌舞伎》よ。
小朝曰く《落語と歌舞伎のお客様では着ているものが違う》


確かに
和装、洋装、みるからに外出着である。

《教室》らしく、まずは軽いレクチャーから。
なかなか面白い。なるほどなるほど。
期待はドンドンン膨らんでいく。
いいねぇ こういう時間ってたまりませんわねぇ


さて、お待ちかね
いよいよ《尾上松緑》の出番ですよ!!!
花道からトントンと出てきて虎を退治したのは良いが。。。


人形浄瑠璃が原作というだけに、義太夫たっぷり。
役者の台詞2割の義太夫8割と感じてしまうほど。


もう、頭の中は【寝床】
落語にでてくるバカバカシイ噺であるが

義太夫好きの家主。好きとは言っても下手の横好き。義太夫の会を催し、番頭の茂蔵に客集めに行かせる。毎度の事に懲りている長屋の連中は、アレコレ言い訳をして全員が断る。怒った家主は、”今すぐ長屋を出て行け”と、告げる。慌てた番頭は、再度長屋を回り客を集め家主をなだめる。渋々集まった長屋の連中、”義太夫は不味いが、料理は美味い。”と、飲み食いの挙げ句寝てしまう...

そんな中 1人丁稚の定吉が泣いている。
「泣くほど感激したのか?」と訊くと
「いえ、旦那様の床(ゆか)が私の寝床なのです」というオチ
浄瑠璃を語る太夫や三味線ひきが座る場所を床(ゆか)とよぶ。


もちろん 歌舞伎にご出演の竹本連中の皆様は正当の浄瑠璃でございます。
本物の伝統芸能を直に味わえる感動もあります。


が、やはり松緑はじめそれぞれの芝居を見たい。
殆ど1地点に立ったまま
浄瑠璃の間にほんの僅か台詞が入る。


教室と銘打ってるだけに、全5段を3段にしてあるらしい
団体の中には修学旅行生もいた。深い眠りに陥って・・・


次の会には、是非とも役者中心の動きのある芝居チケット廻してくだされたし。
※懺悔 第一幕で挫折いたしました。