〜布施明〜

転載ですが

数行目から

結論から言うと大号泣でした。
あまりにもな衝撃に、その日は、お酒が呑めませんでした。
あまりにもな凄さに体中の血液が逆流しているかの様でした。


布施明さんと言えば
シクラメンのかほり
君は薔薇より美しい」等の曲がありますが、コンサート自体は単なるヒットメドレー的な安易な物では無く、冒頭からラストまで全てが見事に構成された映画を見ている様でした。


幕が上がり、赤い窓が一つ。
どっかの小さいジャズバ―。
中では常連が楽しげにお気に入りのジャズを歌いあっている。
歌えよ、と言われサラリと歌う。


古くからの気心の知れた仲間達なのだろう。
もうすぐ、このジャズバ―は閉店する。
時代の流れか、青春を過ごした馴染みの店が無くなってしまう。
だから今日は皆が集まった。


集まれなかった人もいた。
もう、この世にはいない人。


その事を知って自分の今、自分の年齢を思い出す。
懐かしい場所、懐かしい人に会うと、人はだれでも、あの頃に戻った気がする。
でも現実は、もう若くない。

1人店を出る。


街の灯がポツリ。
歩きながら、1人歌う。

色んな事を思いだす。

あの当時好きだった歌。あの当時の色んな仲間。あの当時好きだった人。
色んな事を思いだす。
色んな歌を思い出す。


気がつけば街の灯があちこちから照らしている。

夜空には満天の星。

歓喜の歌は止まらない。
美しい思い出や悲しい出来事も、全て歌が包んでくれる。

タイム・トゥ・セイグッドバイ。

思い出に別れを告げ、自分の道を歩み続ける、まだ終りじゃない。

まだ思い出にすがって生きていくには早すぎる。
君がそう教えてくれた。

そして赤い窓が一つぽつり。

ゆっくりと暗転しながら幕が下りる。


…まぁ、何のこっちゃ?と思うよね。


ただ、もうアタシャ号泣でした。


ただ、この涙が何なのかが判らん。


感情より先に涙がすうっと頬を伝うのよ。
え!?と思った時は、もう遅い。
押し寄せる歌の力に、ただただ圧倒されるしかない。
そして自分の中の感情が、グチャグチャになって押しつぶされそうになる。


悲しいとか感動したからとか、そんな説明出来るレベルでは無い。


純粋に歌の持つ力が、歌詞や演奏等を超越して涙腺に訴えてくる。


もう、上手すぎですよ布施さん!


三谷幸喜さんの作品で、お芝居は上手いなぁと思っていたのだが、そのさり気ない幾つかのショ―トシ―ン(一人芝居)と楽曲が絶妙に絡んでくるので、本当に単なるコンサートというよりは映画や演劇を観ているようだった。


歌の力って凄いなぁと思ったのが、ドリカムの
「LOVE LOVE LOVE」
を歌ったのだが、私この曲は好きではない。

むしろ嫌いだったが、泣いてしまった。


後半の盛り上がる所で、ウワ―ッと来てしまった。

洒落たジャズをサラリとこなし、時にはシャンソンの様な世界観を、往年のヒット曲はリラックスしながらも、それ以上の完成度で、そして上質なテノ―ル歌手の様に歌ったかと思えば、ソウルフルに歌い上げる。


もう、完全にやられました。


完璧でした。
久々に震えたなぁ。


秋にまたあるそうなんで、絶対観よう!


また当たり前だけどバンドさんも上手いのよ。


歌よし、演奏よし、ショウの構成よしと、完全に打ちのめされました。


願わくば、もっと色んな世代の人に観てもらいたなぁ。


きっと何か心に響く物がある筈だと思うから


愚息のブログでf(^_^)
この日はお酒が飲めないと、緑茶飲んでまつた。