〜改革、改進の噺家〜
春風亭小朝
最近はプロデュース業に、その名を轟かせているが
本職は「天才落語家」
池袋演芸場さえ一人では行けず、家人同伴だったのが
どうしても小朝が見たくて、《落ち研》先輩の高座蹴っての中座叶わぬ息子見限って、
必死の思いで一人向かったのが、新宿にある《末広亭》。
2000年の2月
《輝ける21世紀 世界に羽ばたくoyumiと寄席》の幕開けである。
結局3日間通う。
「猫の茶碗」「紀州」「品川心中」
この番組では小朝と仲の良かった故三木助も熱演。
「強情灸」白く細い腕に盛られた熱い灸が見えたっけ。
寄席で指定席発売は稀であるが、それでもあることはある。
小朝のそれは立ち見なしの指定席。
しかも、何故か肩身の狭い「池袋演芸場」
演目【ガマの油】
ガマ売りの口上
《立て板に水》とはこのことなり。
小朝にはテンポがある。切れ味がある。
聞えるのは小朝の声だけ。
淀無く、口上は続く、中盤からいよいよ終盤へ。
小朝が語る。
小朝が語る。
こうなると、思いは一つ 否 二つ
- 閊えるな 小朝
- 物音立てるな 客人
張り詰めた雰囲気の中で、
口上は終わった。
終わるや否やの大きな拍手
それは小朝への拍手であり、一切の物音立てなかった客同士への拍手でもあった。
小朝満面の笑み。
こんな企画も
《大喜利》やったら、回答者よりも司会の小朝のほうが断然面白い。
これは見事な失敗。まぁ予想内のことではあるが。
鈴本では10日間《芝浜》これも画期的なこと。
しかも連日満員だというから凄い。
最近は 林家を盛り立てようという意識が強いのか、
小朝=林家落語会のようになって、二の足踏んでしまうのだが
10月はその呪縛から多少解放されてる。
寄席の小朝 久しぶりに行ってみるかな。