〜薬丸岳〜

天使のナイフ

天使のナイフ
数ヶ月ぶりに、本川越駅の近くにあるバーに行ったときのこと。
「ヤクマル ガクさん ご存知ですか?」と一冊の本手にして
ハンサムマスターが訊いてきた。
「う〜〜ん 知らない」
常日頃 無知、無教養曝け出しているおばさんに、
ハンサムマスターも慣れたもので、ひるむことなく解説が始まる。
昨年【江戸川乱歩賞受賞。薬丸君繋がり??で《はなまる》にも既に出演】
凄い もう《はなまる》に出ていたとは...って
無教養のおばさんにはテレビに出演することのほうが、手っ取り早く伝わってくる。
その 作家先生が2ヶ月ほど前から、出没あそばされてると。
「おいでになったら、メールしますよ」


前日に買っておいたマグロ
漬け丼風に下味付けようと取り出したところに、買い換えたばかりの
携帯へメールが来た。
《薬丸さん 来てます》
ヨカッタァ 今日はギターレッスン日であるから、お化粧していた。
マグロ手にする前だ。生臭くないわい。

今まさに出ようというところに再度ハンサムマスターからのメール。
「何時ごろ 着きますか?」
蕎麦屋 今出ました」と打ち返す。


ドアを開けると 本に載っている写真よりも
ズーと優しい面立ちの青年が。ホッ
型通りの軽い挨拶を済ませ、その後は......


久しぶりに語ったなぁ
それは誰もが思っている《過保護ともいえる歪んだ少年法》への鬱積から始まり、
阪神好きであり さらには巨人が負けることにも同等の情熱を持っている
ファンであること。
いいねいいね♪ 一緒だよん。


子供の頃から、ミステリー小説=スリラー小説のイメージが強く
苦手なジャンルであったが、読み始めて早々その懸念が払拭されていく。
嬉しい人との出会い、本との出会いが対になって訪れてきた夜だった。