〜父と暮らせば〜

oyumi2008-06-22

小松座第85回公演

1994年 戦後49年目にして誕生した二人芝居『父と暮らせば』
原爆投下から三年後の広島。市立図書館で働きながらひとり静かに暮らす
美津江の胸の内には、ほのかな恋が芽生えていた。そんな美津江の目の前に、
まったく突然に父武蔵があらわれる

娘の恋心によって、亡くなった父親の 手、足がかたどられていき
食事をとることはできないのですが、
亡霊とはいっても、衣服も日常着であり
父と娘のほほえましい、時には激しい言い合いもする
何処にでもあるような、親子の風景です。


何故結婚しないのだと言い寄る父親に
「私は幸せになってはいけない人間なのです」と。
親友の死。その友の母親の言葉
「なぜ あんたが生きてる」
瓦礫の下になり、顔に酷い火傷をおった父親。
父は一刻もこの場から離れるように諭すが、娘はきかない。
ならばじゃんけんしよう
「わしはグーだけだすから、勝てるだろう」
『じゃんけん。。。』
その場面では 娘もグーだけ出し続けます。
最後には、身の危険を感じ父親の指示に従いその場を離れる
「火傷を負った父親の顔が怖くて逃げた娘だ」と自分を責め続ける娘。


台詞の中に原爆の凄まじさが語られます。
あちらこちらから、啜り泣きが聞こえます。


18日 そして今日の楽日と行きました。


井上戯曲の傑作にして小松座のライフワークといえる『父と暮らせば』
感動しました。
父親の辻萬長 娘の栗田桃子
とてもとてもよかったです。


02年 家族で広島に行ったときの写真です。