〜3・11〜

津波

兄からも「一度みていたほうがいい」と言われ続けていました。
新聞も取り寄せ、本も数冊購入してはいるものの
なかなか現実と直面する勇気がなくて、、、。

兄の家は仙台の南 高台にあります。
着いてそうそう
「向こうにみえる木な 全滅したんだぞ」
遠くに 細く 枝もほとんどなく あって数本の木が
まばらに見えます。

兄が本を見せてくれました。
それは見事なほどの松林です。
それが あそこにある木?

私が初めてみる震災の爪跡です。

翌朝【亘理】に向かいました。
黒い津波に家が攫われていく様子を ただただ呆然と見ていたあの日。。。
区画整理された若く美しいその街並みにあるのは
枯れかかった雑草だけです。
それでも 確かにここに家があっただのだと訴えるかのように、
コンクリートの土台が残っています。


仙台から松島に向かう街道にもいたるところに爪跡は残っています。
歩道橋があります。
まるで橋の下に川があるように 車が流されていったと。
私達が通ってる一帯総てが被災地なのです。



松島の瑞巌寺がライトアップしているというので行きました。
観光バスが何台かとまっています。
足元には、数メートル間隔で蝋燭が灯っているのですが、
全体的に暗く、、そんな中、すぐ向かいに立ち並ぶ民家の窓の明かりがクッキリと。
窓側に掛けられた衣類がみえて。。。
あまりの日常的な光景に
兄嫁に「なんか合わないね」
「塩害にやられちゃって全部根元から切ったから。。」
そうです!両脇ぎっしりと杉の大木があったところです。

松島は被害が少なかったと聞いておりましたのに。。。
待合所には、ここまで水があがったと柱に印がついてました。
それは164センチです。

これからどれだけの年月を要するのか。。
津波の残した爪跡は余りにも大きすぎます。